暇つぶしに。様々な出来事をつらつらと。

友人から人生本が書けるよ!と言われた事ある波乱万丈な人生を歩んだ30代後半女です。

戦争映画が私たちにもたらすもの

 

先日、ダンケルクを見た。

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wwws.warnerbros.co.jp

なんか色々と話題になっている作品なのか?
全く持って予備知識ナシ。

見ようと思って観たわけでは無かった。
本当は邦画「三度目の殺人」を見ようと思っていた。

映画はレイトショーで観るのが好き。
人混みが苦手なのと、平日の夕方や休日の日中はカップルや友人と一緒に映画を見に来ている人が多すぎで嫉妬心が胸ぐらをぎゅーっとし、頭上ちょっと後ろ、そして背中の方が
すーっとしてなんか惨めな気分に見舞われるのが嫌なので人が少なく単身で見る人が多いレイトショーは気が楽。普段人がいっぱいいるショッピングモールの通り道が帰る頃は全てシャッターが下りて人気も無く閑散し、一種の寂しさを感じるあの感覚もなんだか愛おしく感じて何とも言えない優越感が込み上げる。

まぁ、
単に上映時間が御飯時から外れて余分な出費を出さずに済むのと通常見るより500円も安く、何かを要する1日の出来事の隙間時間で気軽に観れる為色々コスパ良し。
というのが最大の理由なのだが。笑

しかーし、そんな隙間時間と侮って
仕事終えて御飯食べて、洗濯機回して、それから出かけよ〜♪

なんてちんたらしていたら映画館到着時、すでに上映時間を十分ほどオーバー。
今からチケット買って、、、


上映前に予告やCM流れるから間に合うか?

 

。。。。
やめておこう。

この後上映される映画を探してみる。
ダンケルクがあった。

映画館に来た以上もはや引き返すは時間と交通費の無駄。
何か観て帰ろうと思った。
だから観た。

先にも触れたが何の予備知識も期待値も無かった。
しかし結果としては観れて良かったなと思った。
この映画は理解するものでも無く、楽しむものでもない。

ただ淡々と流れるように進む映像。

大衆的な娯楽ではなく、
ある種のテーマを掲げた絵画の個展を観に行ったような感覚だった。
ただひたすら魅せる、見せつける絵のように私は感じた。


私は、

何かを英雄に仕立てる戦争映画は好きじゃない。

ハリウッド映画は世界中を相手にした興行収入を見込んで作る為
分かりやすい勧善懲悪。劇的な感動ストーリーが多い。
起承転結の流れを無視せずにキチンと組み立てた映画を見るのは
良いところどりばかりしようと欲張って結果突っ込みどころ満載の映画に成り果てる
最近の日本映画と違い、心地がいいので観ていて楽ではある。
だから実際観たらいい映画と思えるのかもしれないけれど、
なんだかその乗せられた感が癪で、あえて日本人ならではの喜怒哀楽で表現された邦画を観て掘り出しものを見つけたい感覚に陥る。

予告CMが
「絶対に心が震える」「この夏最大の感動作」
て、うたい文句で一画面を切り取って流す。あれも嫌。
もうさ、ネイティブな英語の白人さん、黒人さんが出ている映画は全てハリウッド映画と見なしてしまうから、白人系と言っても
イギリス製作、ポーランド、オランダ、フランス、etc… 。

フランス映画は文学的でシュールなイメージがある。
簡単に言うと小難しい映画。
私の頭が理解出来るレベルに到達せず眠くなる危険性を孕んでいる為安易に劇場で観る気にはなれない。これはイギリス映画なのだろうか?

レビューを読んでみた。
絶賛する人と期待ハズレと思う人、つまらないと思う人。
どの映画でも賛否両論はあるけれど、
これは間違いなく観る人を選ぶ映画かもしれない。

予備知識なく観た私はまずこの映像の地が何処で、
どことどこが戦ってるのかサッパリ分からない。そしてどこの国が主体だ?
だって白人皆見た目一緒。
ただ映像を追って観ていくと、ああ、イギリス兵が主で、フランス兵も同胞なんだ。でも差別がある。歴史に疎い私は当時イギリスの方が力関係が強かったのかな?
敵国はどこだ?第二次世界大戦ならばバカな私でも知っているドイツのナチス政権の悲劇。なんて考えながら見て、静寂の中にある儚くも残酷な映像が連続して進んで行く様に目が離せなくなる。セリフもストーリーも説明もほぼない。だからこそ見せつけられる映像に頭がフルで活性化される。見ながらにして色々な事を自分の奥に箪笥に仕舞い込んでいた色々な感情を引き出して考えずにはいられない。
説明のない対照的な死の場面もあえて何だと分かる。
また、脳の錯覚を用いた構成で作られていて、そこに引っかかりを感じ変な違和感が時々脳内に混乱を来たす。
そしてその疑問がクライマックスで解消されるとスーッと安堵感が来て、
その後の映像美がよりいっそう目に焼き付く。

小憎たらしい手法ばっか使うな。自分はまんまと乗せられてしまったが。

一部のレビューに
リアル感が伝わるとあった。
でも、
私はそのリアル感というものに疑問を持つ。

何かの作品として他人の目に映るもの全てに
リアルなんてものは存在しない。作品として世に出るものには全て作り手の意図がある。
作り手が見せようとするファインダー越しの映像がそこにあるだけ。

戦争というものにはこんな現実もあったであろうという作り手の想像の産物。
戦争をリアルで体験した人は己が体験した、見聞きした現実のみがリアルで
様々な国の戦争、性別、立場によって感じたリアルは全て異なる。

戦争が終わっても戦争を体現した人はそれによって歪められた思考と
身体的な後遺症にその先の人生全てが左右される。
我々が見せられたこの戦争という物語はその一部。

結局、戦争映画が私たちにもたらすのは娯楽でしかない。

ただの娯楽。

それをリアルとして捉えられる人なんているのだろうか。

今も昔も
皆ずっとずっと、戦争のない時代を求めて来た。
人を殺し、殺されない人生を望んで来た。
でも、人類が始まってからずっと、人は人を殺し、奪い合って生きて来た。
望む望まないというものではない。選択肢なんてものはない。
力のあるほんの一握りの人間が、多くのその他の人間の生死を決める。

力のあるものの庇護の元でしか生きられないその他の多くは
自分が生きる為に目の前の人間を殺す。


私が何かを思い、抗おうとしても
スイッチひとつで私自身は消えてなくなるかも知れないし、
運良く生き残ったとして待ち構えている現実は秩序の乱れた混沌とした世界と
非力な女であるが故に壊れた男達の性の奴隷となる。
おそらくそんな現実が待っている。

チャップリンが残したかの有名な映画の名言が子供心にずっと残っている。

 

One number makes a villain,
millions a hero.
Nnmber sanctify,my good fellow.

一人殺せば悪党で
100万人だと英雄です
数が殺人を神聖にする

 

 

検索して文章を掲載されていた方のページから拝借した。

私はおそらく映画のストーリーで観ていてうろ覚えだったのもある為
解釈だけが脳内の記憶として残っていた。

戦争で人をたくさん殺せば英雄なのに
人をひとり殺したところで極悪人になるのは何故だろう?

世に疑問を投げかけて死んで行く殺人鬼の言葉が永遠にこだまする。

 

人間の生死に違いなんてものはあるのだろうか?
相手が自分の人生に邪魔だから殺した。自分を苦しめる存在だから殺した。
戦場で敵が邪魔だから殺した。自分が殺されない為に殺した。

そんな個人レベルの葛藤が
戦争という大きな渦の中では一瞬に、
人はまるで網にかかった大群の魚のようにもがけるだけもがいてあっという間に死ん行く。

まるで生きた意味なんてないかのように。

 

 

 

生還したものに浴びせられる戦地帰りの声援。

本人たちはただ生き残っただけ。

でも生き残ったものが勝者になる。

そして勝者たちが正義を振りかざし英雄を作りあげる。
生きている自分に理由付けをする為に。
英雄となったものは意味のある人生に書き換えられる。

勝ったものが本当に正しかったのか?
勝つ事に、生き残ることに意味なんてあったのか?

それは愚問でしかない。
そこに意味は存在しないから。


私はいつの間にか自分の人生に意味なんてなくてもいいと思えるようになった。
いつ死んでもいい。

でも別に、あえて死にたいわけでもない。

人生なんてろくでもない事ばかり。

でもそんなのずっとじゃない。

寒さをしのげる住まいがあって、
時折美味しい御飯を食べられて、
自分で自分の人生を決められるこの世界。ごくごく普通の事。
充分じゃないか。

 

意味を求めようとするから人間は苦しくなるんだ。
人を殺す必要もなく、殺される心配もない平和で幸せな世界にいるはずなのに

何故私は生まれた?
何故私は周りとは違う?
何故私は、、、

生き辛さを感じずには居られない。
現代の人達。

 

形は違えども
どの時代にも生き辛さはある。

違いと言えば、昔は生き辛いなんて悩めるのはほんの一握りの裕福な人だけ。
庶民、貧乏人はひたすら働いて働いて、それでも生活が潤う事なんてなくてそんな概念すらなく、身体が弱ければとっくに死んでる。

 

意味なんて、無くていい。
ただ好きか嫌いか
心地良いか良くないか

自分が頑張れる範囲と妥協出来る範囲でストンと落ちるところに身を寄せればいい。

 

 

 

最後に
私が観た映画の中で未だに記憶に残る余韻を残すいい映画だなぁと思ったのはこの二つ。
あ、三つ。


ライフ・イズ・ビューティフル

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戦場のピアニスト

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シンドラーのリスト

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結局戦争映画だ。。。
やはり娯楽なんだな。